設立趣意書

 複雑化する現代社会のなかで、ソーシャル・キャピタル、すなわち人々の信頼関係や人的ネットワークが重要性を増している。こうした「社会関係」は、政府、企業および市民社会の円滑な運営に不可欠の要素となっている。
 このように、社会関係という概念は現実世界でも重要であるが、研究対象としても興味深い。社会関係は、すぐれて学際的な概念であり、その研究には、経済学、経営学、政治学、社会学、心理学、工学、社会疫学など、多くの学問分野の協働を必要としている。社会関係は、さらには政策の対象としても重要な意義を持つと考えられる。社会関係という抽象的な概念を、エビデンスに基づき可視化し、実証可能にすることによってはじめて、政策対象としてオペレーショナルなものとなり、科学的に評価することが可能となる。
 以上のような認識のもと、新しい学会として「日本社会関係学会」(英語名:Japan Association of Social Relations, JASR)を設立することとする。
 本学会は、社会関係の理論的、実証的な研究を発展させるため異なる分野の研究者の交流の場を提供するとともに、研究者、実践家、政策担当者などの交流を促し、社会関係の現状やありうべき役割について研究するためのプラットフォームを提供することを目的として活動する。

本学会の三大研究分野(カバーする研究キーワード)

社会関係資本
Social Capital
市民社会
Civil Society
政策評価
Policy Evaluation
信頼、互酬規範、ネットワーク、主観的幸福、経済、起業、健康、公衆衛生、スポーツ、高齢化、教育、都市、文化・芸術、コミュニティ、犯罪、防災、政治、民主主義、格差、労働、ジェンダー、ワークライフバランスなど 向社会行動、利他的行動、公益法人、非営利法人、NPO、NGO、社会的企業、社会イノベーション、社会的金融、フィランソロピー、メセナ、寄付、ボランティア、CSR、持続可能性、SDGs、国際協力、共生、メディア、協働など 組織評価、事業評価、社会的インパクト評価、政策効果分析、政策決定プロセス、政策工学、社会実験、ビッグデータ、オープンデータ、ランダム化比較試験、EBPM(Evidence-based Policy Making)など

事業計画概要

  • 年次研究大会・会員総会
  • 小規模な研究会・講演会(月1回程度)
    必要に応じて、ソーシャル・キャピタル部会、市民社会部会、政策評価部会等の分野別活動を行う。
  • チュートリアルセミナー
    若手向けに、合宿セミナーなどで、テーマ選択、論文執筆、ジャーナル投稿などの指導・サポート
  • オンライン・プラットフォーム
    HP上での会員紹介、著書・論文紹介、イベント告知
    研究者向け求人情報の提供
    メーリングリスト、SNSなどによる会員交流
  • 研究成果の公開
    ニューズレター発行(オンライン)
    リサーチペーパー刊行(WEB上で)
    将来的には、ニーズ調査のうえ、オンラインジャーナル発行を検討

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